犬さんや猫ちゃんの保定無しの検査や治療

リラックスする猫

当院では、看護師がおさえずに、飼い主さんの軽い抱っこやタオルでくるんで採血や治療をする事があります。

保定とは、治療や検査のために、動物の動きを制限する行為を示します。

保定無しの診察や検査や治療は、動物に精神的な負担をかけないからこそ出来る技術です。動物たちに可能な限り、怖い思いや嫌な思いをさせたくないというのが、当院の基本理念です。

保定無しの注射

当院では、ほとんどの子が、飼い主さんに軽く両腕を持っていただいたり、抱っこしたままで、ワクチンなどの注射をする事が出来ます。

看護師のおさえは、ほとんど必要ありません。

開業当初は、ほとんどの子が動物病院に慣れていなかったので、嫌がる中、動きを制して打っていました。また、それが当たり前の獣医療と思っていました。

しかし現在、当院では、動物自身がきちんと状況を把握してもらうための環境作りに心がけた結果、受け入れてくれる子がほとんどと言う状況になりました。かかりつけの子で、暴れる子は、ほとんど居ません。思い浮かばないくらいです。(子犬さんで、まだ動物病院がどういう所か分かっていない時期や、高齢期の若干認知症が入って来たかなと言う子は、別です) 口輪やエリザベスカラーの出番が、最近は、ほとんど無いですね。

なので、それが当たり前と思っていたのですが、たまに、「今までの病院では、おさえないと打てなかった」と言う事を耳にします。そう言う場合は、初回は、看護師の保定を必要としますが、「今までの動物病院よりは、暴れなかった」と言われる事がほとんどです。ですから、信頼関係をまだ構築出来ていない子の場合は、保定を必要としますので、予めご了承下さい。その子の恐がり方にもよるのですが、可能な限り怖いレベルが低くなるような保定に心がけます。

「嫌な事が起きない」と言う事を繰り返し、飼い主さんにも協力していただき、何も痛い事をしない時に信頼関係を築く訓練の為だけに来院していただくと、将来、全くおさえずに注射を打てるようになる場合が多いです。

ただ注射程度でしたら、看護師が入らず、打てる病院も多いかと思います。

保定無しの採血

それに加えて、ちょっと上級編になります。

普段から来ていただいていると、個々の性格をこちら把握出来るようになって来ます。この子は、こう言う事は嫌いだろうなとか、ここまではさせてくれるだろうなと言うのを獣医師が分かっています。

その為、それぞれの性格に合わせて、採血を実施します。アプローチの仕方や触り方、握る時間、動物の反応など全て総合的に判断します。それは、長年の観察力と経験、行動学の知識の蓄積で出来るようになりました。

もちろん、保定無しの採血のためには、飼い主さんの協力が最大です。飼い主さんは、決して押さえ込まずに、ただ抱っこしているだけです。さらに飼い主さん自身が緊張しない事も、重要ポイントなのです。そして、私たちに対する信頼の気持ちも意外と重要です。動物たちにはなぜか伝わるんですよ。イライラしていたり、不安がると、すごく伝わって、上手くいかないのです。

だから、安心していただき、飼い主さんが落ち着かれると、本当に上手くいきます。

不思議でしょ?

(一人採血を積極的に実践してデーター取りをした6~7年前ですら、フィラリア検査の採血が98%の子で看護師の保定無しで成功しました)

一部猫ちゃんでも、看護師が入らず採血した実績があります。(猫で行う事は、犬以上に、獣医師のスキルを問われます)

最近では、特殊なスキルを使い、猫ちゃんの爪切りは90%の子で、看護師が入らず行っています。飼い主さんにはまねをしないようにお願いしています。失敗したら、今後、動物病院でさせなくなる可能性があるからです。見た目だけで無く、触り方やいろんなポイントがあります。当院秘伝の方法です(*^O^*)。

いずれの行為も、動物たちに納得してもらっているからこそ

特に採血などは、1ミリでも動くと血管から針が抜けてしまい、すぐに内出血して、その血管からはしばらくは再度採血出来ない状況になってしまいます。なので、ほとんど動かない状況でないと採血は出来ないのです。と言う事は、嫌がるところを無理矢理しているのではなく、状況を受け入れてもらっている証拠だと言う事が分かっていただけると思います。

一部ですが、看護師の保定が入る方が、嫌がる子も居ます。それくらい、一人で採血させてくれるというのは、動物のためにも、とても良い事なのです。そして、病院に対する嫌悪感が、増さないのです。

逆に、どんどん落ち着いてくる子が多いです。「動物病院は、思っていたより怖くないぞ!」と。

「飼い主がおさえての採血なんて、聞いた事が無い」と言われる飼い主さんに、「いいえ、おさえるのでは無く、だっこなんですよ」とお話ししました。当院の看護師は、動物を怖がらせないような保定が上手ですが、「それよりもさらに、飼い主さんのだっこによる採血の方が、おとなしくさせた」と、つい先ほども言われました。全く怖がっていませんでした。こう言うメリットがあるのです。

飼い主さんの立場からすると、診察室に看護師が入って来て治療をする方が、満足度は高いでしょう。しかし、私は、元々、必要最小限の用事でしか看護師に入ってもらっていません。それは、いま書いたような理由からなのです。

今後も、さらに可能な限り、動物に不安を与えないように出来るように、チャレンジしていこうと思っています。

動物病院が楽しい所になるために

私たちは、普通の動物病院では当たり前の事を、当たり前としません。その為、過去に行かれた動物病院と比較される方は、戸惑われるかもしれません。それくらい、飼い主さんの立場からすると一風変わった動物病院でしょう。問診も異常に詳しいですし、日常管理にも、日頃からの動物たちの心の変化にも、とても気を使っています。もしかしたら、面倒だなと感じられるかもしれません。

動物の行動や性格により個別に対応するため、その子にとって診察後に何か特別に良い事がないような場合でも、病院にルンルンで来るようになった事例がたくさんあります。「今までの動物病院では、その方向に向かうだけで、呼吸が速くなり、キュンキュン鳴いていた」など言う子もです。

私たちが、動物が発する「嫌だ」と言うサインに早く気付き、恐怖心や闘争心などを最小限に抑える努力をしているのが伝わるようで、また、私たちのウェルカムの表情や態度を汲み取るようになってくれて、仲良くなっていきます。

私たち動物病院スタッフにとっても、とても嬉しい瞬間です。

だって、動物が好きだから、可能な限り嫌な事はしたくないですよね。だけど、どうしてもしなくてはならない時に、動物が納得してくれると、また次の来院が嫌にならないのです。

動物に嫌われるような事ばかりを、やむを得ず動物病院ではしてしまいます。ですから、嫌われて当然なのですが、嫌われて当然と開き直るのでは無く、極力、動物たちを嫌な気持ちにさせない努力を惜しみません。

まとめ

清美どうぶつ病院は、そんな動物病院です。ですから、他の病院とは違うアプローチをしております。人間のペースではなく、動物に合わせる事が多々あります。ですから、時間もかかります。そこを大切にする動物病院です。それは、飼い主さんにとっては、不都合で、満足度の低い動物病院と言う事になってしまう場合もあります。

しかし、そこを大切にして下さる飼い主さんであれば、動物たちに「もう!!!動物病院に連れて行って!!!嫌だって言っているのに」と、嫌な顔をされる事も無くなるのです。それどころか「動物病院に連れて行ってくれた♪ありがとう♡」と、お出かけにでも連れて行ってくれたかのようになる子が、多数なのです。

動物を飼う上で、犬のお散歩や猫のトイレ掃除と同じように、動物病院に遊びに来る時間をしっかり取りましょう!ただ来れば良いだけで無く、アプローチの仕方もいろいろあります。ただ来て、嫌な事の繰り返しは、動物病院嫌いを、助長します。

私たちには、動物病院を可能な限り苦手にさせないようにするノウハウがあります。そしてその為に、時間と費用をかけて、学会や勉強会のために全国を飛び回り、しっかり勉強をしています。かかりつけとして選んでいただき、興味がある方にとっては、その知識と技術を得られるお得な動物病院です。

特に猫ちゃんは、男性が苦手なケースが多く、他院では全く触れなくなってしまっていた子が、当院では時間をかけて、触らせてくれるように戻っていったなどと言うケースも、たくさんあります。(猫ちゃんも、社会化期の時期から、ならし訓練に来て下さいね)

私たちのお願いする事を、正しく実践していただけると、少なくとも大嫌いで治療に全く協力出来ないという子にはならないと思います。

特に社会化期は、その慣らす訓練に最適な時期です。この時期を逃さず、また、その後も継続しましょうね。継続しないとダメになってしまいます。

動物を飼う本当の楽しみを知らないのは、もったいないですよ!

動物と本当にこころを通わす事、正しいコミュニケーションスキルを身につける事です。

私たちは、病気の治療は当然ですが、病気の予防、そして、こころの問題の予防に、一生懸命取り組んでおります。(心の問題の予防を実践すると、動物病院での検査や治療、家での治療がスムーズに行えるようになると言うメリットがあります。)

おさえ込まず診察が出来るケースが多い言う事は、動物に優しい診療をしていると言う証明にもなることが、分かっていただけたと思います。

動物に優しい治療を最優先に取り組んでいるからこそ、治療を受け入れてくれるというのは動物からのお返しの言葉だと思い、彼らに感謝し、受け止めております。

次世代の動物病院を目指して。


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