動物福祉や様々な予防を伝えられる 諸外国や都心部にしかないような ≪次世代の動物病院≫を目指しています

漢方診断 順番予約の試験運用

当院では近年、本格的に中医学診断(漢方診断)を取り入れております。以前記事にも書きましたように中医学アドバイザーを取得(←リンク)し、現在は国際中医師の資格取得に向けて受験勉強中です。

中医学的診断には、四診をしっかり取ることが大切であり、通常の業務内に行うにはとても時間がかかります。その為、最近待ち時間がとても長くなり、どうにかできないか悩ましいところです。

そこで、以前から考えていた順番予約制(時間ではなく順番:時間未定の予約です)の導入を試験的に行いたいと思います。

私たちの出来る範囲でさせていただけないでしょうか?

その為これらを通常業務にする予定は、当面ありません。そうすることで【みなさまの当たり前】になってしまい、よりよい事と言うコンセプトで始めたにもかかわらず、上手く行かないときに逆に不満となって爆発させてしまうからです。そんな種を作るために私たちは頑張ってこのシステムを考えたわけではありません。飼い主様の笑顔を見たくて「私たちが無理をしなくても出来る事は無いのか」と常に必死に考えています。(無理をして上手く行かなかったのでこのように書いています。あとでもまた説明が出てきます)

現時点では、この時間帯は診察可能時間では無く、だからこそこの時間枠をあけることが当たり前ではない状態です。出来る事を私たちの出来る範囲で探して、無理なく持続可能な範囲でみなさまの協力のもと運用していくと言う主旨で温かく見守っていただけると、こんな事も出来るかな?あんな事も出来るかなと幅を広げられます。

  • こうしてくれたらいいのに
  • こう出来ないの?
  • これくらい出来るでしょ?

など、私たちの現時点決めているルールを超えるご要望があると、胸が締め付けられます。

皆様には、私が簡単にNOと言える人間に映っているようですが、実は、出来ませんと答えるのを人一倍苦痛に感じる人間です。なので表には出していませんが、みなさまの想像を超えた『すさまじいストレス』と日々闘っております。

と言うのもそのような飼い主様からのご提案をいただくと、そこでまた新たにルールの不備や想定を考え直さなくてはならなくて、様々なお考えの方に対応出来る新たなルールを考え直したりします。さらにそれに対して、答える言葉のチョイスを私なりに考えてはいるものの、意図しない形で伝わることも多くて私自身もとても傷つきツライ思いをしております。そしてそれらにかかる時間と労力が増えると普段の業務に加え他に考える仕事がさらに覆いかぶさってくるわけで、一般の仕事に支障を来してしまうのです。それでご迷惑をおかけするようであれば、「やっぱりやらなければ良かった」になってしまいます。

ですから、

  • こんな事も出来ないの?
  • どうして?
  • こうすればよいじゃない?

などは、すでに私たちが想定の範囲で出来ないと考えて、そこまでの範囲を広げていないのです。

そこをご希望され改めて投げかけられると、こころがつぶれてしまいます。

  • 私には関係ないけど、こんなこと出来るようになったんだね
  • 待ち時間短縮に繋がったらいいね
  • 漢方診断を受ける方は、いまよりゆっくり受診出来るようになるね
  • 動物も飼い主も動物病院も、みんなの負担が減ったらいいね
  • いろいろ考えてくれてありがとう

など

正の強化の考え方で、出来る事、素敵なことを見つけられる関係をお互いに高めあうように、私たち自身もまだまだうっかりしてしまいますが、出来るだけ意識を向けられるように頑張りたいと思います。

漢方診断予約の導入を検討した経緯

平日の午後の時間帯は、当院の諸事情により一般診療を受け付けておりません。しかし、1日の来院数が少ないにもかかわらず午前はすさまじい待ち時間になってしまい、逆に午後には空きが出てしまう(ただし、その間に片付けなどの業務が出来るメリットもある)状態です。

ただ、その時間に目いっぱいに診療や検査治療を入れてしまうと、今のスタッフとの契約は残業をさせられない契約で採用しているため、スタッフに負担がかかり勤務を続けられなくなってしまいます。つまり当院の診療を継続すること自体が困難となります。それは病院を廃業すると言う事です。

スタッフとの現時点での契約を真摯に守る雇用者でいることで、新たなスタッフを迎えやすくなるのです。そのようになればまた、診療時間の幅を増やしたり、診療可能日を増やす事も出来るかもしれないのです。

他院でも対応出来る範囲の方にまで無理をして欲しいとは思っておりません。出来る病院にお願いしてお互い無理をするのは得策ではないと思います。私たちは私たちが今時点で出来ると言う事を全力で頑張っているつもりです。なので私達にも無理を言われても出来ません。

漢方や行動診療やストレス低減の診療など、私達でないと出来ない診療があり、その方たちのために私たちは私たちの出来る事を精いっぱい頑張っています。

予約日の発表のタイミングについて

そこで、前もって予定を発表することは出来ませんが、直近にこの日なら午後の枠に中医学診断を入れられそうだと言う日に、突然枠をあけます。今のところ前もってスケジュールを入れてしまうと、オペを入れられなくなってしまったり、その他の診療業務を入れられなくなり、上手く回らないから予約を止めようと言う事にもなりかねません。

そもそも、元々そのようなサービスが無かったわけですから、「そういう日もあったらラッキーだよね」と言う軽い感じで受け止めて下さると、少しずつ開けられる日が増えるかと思います。出来ないとマイナスのとらえ方の思考のままだと不幸でしかないです。出来たと言う事をたくさん見つけられる思考は、人をハッピーにします。

当然、予定人数を超えた場合は、その日の予約枠にストップをかけます。

確認方法

ホームページ内の毎月の休診情報からご自身でチェックしていただけるようお願いいたします。Googleのカレンダーがたまに不具合になりますが、出来るだけご自身でのチェックをお願いいたします。また、予定を急に変更する事もあります。急に公表するため、目安で作成している画像には出てきません。毎回その編集をする手間がかかるとこれもまた、このシステムを入れると仕事が一つ増えてしまうから出来ないと止める理由になってしまいます。また、予定として入れていても予定を突然取り消すこともあります。予約者の方にのみ連絡を入れます。

予約できる条件

◎最重要◎

毎回こちらの内容をすべて読み直し、きちんと理解しご納得いただける方。その手間をかけ、ご協力いただける方。

ご自身が対象者であるかの確認は、漢方診断の際に基準を確認してください。お電話での確認は毎回カルテを出す作業に時間を取られます。そうすると仕事量が増えてしまうので中止の理由になります。西洋医学的な薬を併用している場合でも、この枠を使えることがありますので、診察の際にご確認ください(ただし体調に変化があった場合は、内容によってはこの枠は使えません)。

また、だいたい毎回聞かれる内容(体調)は、スラスラ答えられるようにご協力ください。飼い主様の観察があっての診察が中医学です。その場でじっくり思い返さなければならないくらい観察をしていない場合は、正確な診断に繋がりにくいです。(予約時間の延長にもつながり、スムーズに運営出来なくなります)

このページに書いていることをすべて実施可能な方は、このシステムを使うことで待ち時間の短縮につながる可能性があり、さらに午前の診察緩和にもなるので、この枠を使えない方のためにもすごく貢献出来ます♡ ご利用をご検討ください。

◎診療科目◎

漢方診断継続の方のみです。その他の診療や検査、また漢方診断の初診の方は、午前の通常受付時間でのみ受け付けております。

◎診療内容◎

この時間はだいたいどれくらいで終わるだろうと予測できるからこそ予約を入れられる状態です。また体調に変化があった場合は追加検査が必要になることもあります。

それらの検査はこの時間帯には行えないので、予約は入れないで下さい。

いつもは漢方診断対象であっても、次回は検査ですよと言う場合も、予約しないで下さい。

◎内容が変化した場合◎

急に変化が生じた際も、再度それらに関しての診察を数日以内(疾病によってはもっと早く)の午前中の診療に来られる方のみしか、お受けできません。理想は出来るだけ速やかに午前中に振り替えてご来院いただく事です。

予約の時間に見られない事は分かっているけれども、自分の安心のためにとりあえず見せておけばいいやと言う感じで来られると、それらの対処が出来ない状態で私たちもとても心配する状態が続いてしまいます。そうなると動物の事を考えすぎて心配で押しつぶされそうになり、精神的にすごく負担になってしまいます。そのようなこともしないで下さい。その場合は、時間が無いのでその事に関しての個別の診察はできませんが、再診料ではなく別の対応をした際の料金を請求させていただきます。

体調が不安定な場合は、今まで通りの午前の受付枠にお越しください。

ついでに爪切りをして欲しいとか、これくらい少しだからと言う、ついでのお願いもご遠慮ください。(午前の 予約で無い枠でしたら出来ます)

先ほども書きましたが、お断りする際にかなり神経を使います。とても疲れます。Noと言うのはとてもつらくとても頭を使い、本来の業務で使う思考の部分まで削がれてしまい、よりよい診療が出来なくなってしまいます。

◎この枠の意図(再確認)◎

元々すべての診療において、不測の事態を想定して余裕を持って再診に来られることを推奨しております。その為、命あるものや自然と関わっている限り何があるか分からないと言う事を日ごろから考え、普段から余裕を持って行動して下さる方のみしかこの枠は入れられません。いつも「もう少し早めに動きましょうね」と言われて残りがギリギリで来られる方は、この枠は入れられません。

出来ない事をたくさん書いたので、厳しく映るかも知れません。

出来ない方にして無理をして欲しいのではなく、出来ない方は今まで通りの受付時間ならできるわけで、何も変わらないのです。罰則でも何でもない事をご理解ください。そのようなとらえ方をされてしまうと、とても悲しいです。

【そもそもこの枠は無かった】と考え、これくらい厳密にみなさまがルールを守って下されば、今まで無かったものを、「できる」に変えられると言うとらえ方をしていただけると助かります。

◎予約方法とこちらからの連絡◎

予約は、受付で直接か、固定電話(092-587-7071)のお電話のみです。

他の内容に加え、LINEの公式でお友達登録と初回に送られて来るメールの内容に従い作業をして下さった方のみの対象者となります。ただし、飼い主様からのLINEでの予約やキャンセルの連絡は一切受け付けておらず、入れていただいてもそれらは連絡とみなしません。返信もしません。

たまに事前に許可なくLINEで連絡を取られる方がいらっしゃいますが、LINEでの連絡は原則不可としているのでルールは守ってください。そのため未読のままにしたり、既読しても返信しません。その内容に関しては受理したとみなされませんので、改めて電話や受付などでご連絡ください。実はこれもストレスです。

こちらからの連絡は、LINE、携帯電話、固定電話のいずれかでさせていただきます。LINEでメッセージが届いた場合は速やかに病院の固定電話(092-587-7071)へお電話ください。そのため診察当日はLINEの着信をチェックできる環境にいてください。

LINE公式アプリはいまは院長しか扱えない為、時間を見てこちらから発信は出来ても、受け取ることが出来ません。

順番予約

順番予約なので、飼い主様のご希望の時間を取ることは出来ません。こちらで順番を組みます。遅い時間希望などは受け付けられません。こちらで前倒しで入れていきます。少しくらいはと言う希望者が出始めたら、このシステムは中止します。

また、予約を忘れてしまった場合やキャンセルが多い方はこの枠は取れません。完全に予約のみ診察しか入れていないので、その日の診療に穴が開いてしまうからです。(ワクチンの予約:午前のみは、システムが違うので連絡を入れて下さればいつでもキャンセルは大丈夫です

だいたいの時間をお伝えして来院していただきますが時間指定予約ではありませんので、前の方のキャンセルなどがあると急に早めることもあります。連絡があったら速やかに来られるように準備できる方に限らせていただきます。そうでない方(遠方の方など)は、一枠から二枠早くご来院いただくようにお願いいたします。また、予定が後ろ倒しになる(遅くなる)ことがあることも予めご了承ください。午前の診療が食い込んだ時やそれに加えオペがあった時など、午後の診療に支障を来すこともあるからです。

順番予約であるため、次の方には早めに来ていただき待合室で待機していただきます。診察可能時間が限られるため有効に使わせていただく為です。

病院側からの予約キャンセル

午前の診療において体調不良の子が入ってしまい、付きっきりで対応しなくてはならないような状況も、想定されます。

そのような事態やその他で診察が難しいとこちらの事情で判断した場合は、その日であっても直前であっても、急遽予約をすべてキャンセルさせていただく事もあります。その為、この枠に予約される際は、他にも動ける日が十分ある状態で入れられて下さい。

先ほども少し書きましたが、元々すべての診療において、不測の事態を想定して余裕を持って動く事を推奨しております。その為、何があるか分からない事を日ごろから考え、普段から余裕を持って行動して下さる方のみしかこの枠は入れられません。いつも残りがギリギリで来られる方は、この枠は入れられません。

「『残りの薬がギリギリだから、どうしても診て欲しい』と私たちの行動を制限する事は、私たちにとってのプレッシャー」となるからです。いかなる理由であっても予約時間では対応できません。あくまでもこの枠は、有ったらいいねと言う枠ですから、無くて困る方のために開けてしまうと業務が煩雑になり、出来ることが出来なくなるので、通常の診療受付時間の範囲での対応とさせていただきます。

毎回こちらのページを必ず確認して、予約や来院が出来る方

ギリギリの状態で運用する枠なので、やってみて不都合が生じれば、また制限を増やします。意外と私たちが伸び伸びと運用出来たら、出来る事を増やします。

なので、またルールが厳しくなっているなと感じられた際は、問題が生じて私たちが悩みを抱えてしまっている状態だとお察しいただけると助かります。それらが増えていくと、問題が発生するものをあえて実施することでみなさまにご迷惑をかけるとの判断となってしまい、むしろ中止した方が良いととらえるようになってしまいますので、みなさまのご協力あってのシステムであることを分かっていただけると助かります。

皆様に育てていただく動物病院と言う、なんとも頼りないですが、でも、そんな身近な動物病院でありたいと思います。

さいごに

お願いです。何度も書いてしまいますが、これも出来ないのですか?と言わないで下さい。

とてもつらいのです。本当に心が折れてしまいそうになることがしばしばあります。

漢方診断であればだいたいの時間の予定が立つのと、1件当たりの診療が長く午前の診療に支障を来すため、この時間を利用すれば他の事が上手く行くかなと、相当な月日を考えに考え抜いていろんな想定問答も考えた上で、システムとしてまとめました。

そして、いろんな飼い主様といろんなお考えがあります。みなさまのこうやったら出来るでしょ?は私たちを傷つけます。そんな簡単なものではなく、そのようなことは既に想定済みなのです。それらの事が難しいからこそ避けるようなルールを設けているので、改めて突きつけられるとつらくなります。そして【より良い事とどんどん広げていこう】言う発想ではなく、問題が多く発生するくらいなら無くしてしまおうとなります。行動の弱化が生じてしまいます。正の強化で私たちを見守ってください。

もし『私たちを必要として下さる』のであれば、「もっと出来る事して欲しい。増やしてほしい」と望まないでいただき、そして私たちを助けてください。

出来る事が少ない動物病院で申し訳ありません。しかし、現在通ってくださっている飼い主様方はそんな動物病院でも私たちにしかできない事があり、そこを評価して下さって「なくなっては困る」とおっしゃられる方ばかりなのです。そのような飼い主様に支えられながら持ちつ持たれつしている動物病院です。

以前は無理をして理想を追っていました。飼い主様第一。私達やスタッフは無理をして我慢をして。病院に通って点滴をしながら何事も無いような顔をして診療に立つことも何度もありました。ギリギリの時間に来られる方に対して対応し就業時間が延長してしまい、それを対応するためにはサービス残業のブラックな動物病院として運用せざるを得ませんでした。まだまだこの業界はそのような事がまかり通っています。ですが私は変えて行きたいと思っています。飼い主様の事も大切ですが、動物病院を動物病院として健全な形での運用を行えることが大切であり、その範囲で許容してただける飼い主さまのみ対象にしていきたいと思います。

過去そのような状態で私自身も自分を見失い、またスタッフにもとても負担をかけておりました。(現在何かしらの持病があって通院していると言う事はありません)。動物病院が動物病院としてうまく回るためにも、出来ない事を無理してできるに変えるのではなく、”出来る事を出来る範囲で”少しずつ増やせる動物病院づくりに変えて行きたいと思うようになりました。それは、正の強化ベースの行動学やABA(応用行動分析学)を学んだおかげでたどり着いた考えです

ですからお願いしますと書いたものに、すべての方にご協力を無理強いするつもりもありません。これらの事を出来る動物病院様はたくさんありますが、私たちには出来ない事がたくさんあります。お互いそれらを押し付けるのではなく感情は抜きにして、飼い主様が大切にする部分がどこにあるのかで判断していただき、お選びいただけたら良いと思うのです。

私が診療する際も押し付けるつもりはありません。しかし、「投薬や検査や再診のサイクルなどの提案受け入れられないとなると、私の診療の組み立てでは治療が出来ない」と判断するだけで、他の動物病院様では他の方法があったり、その病院の環境では出来るかもしれません。あくまでも私はそのように判断すると言う見立てなのです。なので「飼い主様が私の提案を受け入れることが出来ないからこそ、良い治療成果を望むことも、またしない」と言う関係が大切なのではないかと、近年思うところです。

近年は、そんなスタンスで診療を行っております。

多種多様化しているからこそ、それぞれのお考えに合った動物病院が、それぞれのベストなのだと思います。

NO IMAGE
最新情報をチェックしよう!

お知らせの最新記事8件