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フィラリアの検査は、なぜ、しなくてはならないのか?
理由1.要指示薬になっているから
まず根本的な理由として、フィラリアの予防薬は要指示薬になっています。フィラリアの予防薬の場合、獣医師が診察し、血液検査をしないと処方できないお薬なのです。
その根拠として、下に能書(薬品効能書)の一部を抜粋します。
理由2.きちんと投薬出来ていないかもしれないので
きちんと投薬できていない場合があります。
1.なぜか、もらった薬が次の年に残っている。
こんなケースも多いものです。
病院としては、きちんとしたシーズン分の処方をしているのに、なぜか途中忘れたか、最後を早くやめてしまったのか残ってしまうケースが多いです。
これは、きちっとした予防プログラムがなされていないと言うことになります。
2.○月から○月までと言う形でもらった場合、余計に長い期間飲ましている場合は問題ありません
しかし、近年の冬の暖かさを考慮されずに処方された場合は、最後の予防薬を飲ませた後に、蚊に刺される可能性は十分あります。そうすれば感染は容易に成立します。
3.きちんと飲ませていても、見ていないところで吐き出してしまっている場合
これは、飼い主の方は完璧!と思っていても、ワンちゃんはチョンボしているので、わからないですよね。
4.いろんな原因で薬が十分体内に吸収されてない場合
体調が良くないときは飲ませないようになっていますが、何が何でも○日にあげなきゃ!と、守ってあげている場合は、飲ませているけれども、十分薬が吸収されていない場合があります。
飲ませていないのと同じ結果になってしまいます。
フィラリアの予防薬の効能書の一例
カルドメック、カルドメックチュアブルPの場合
使用上の注意
- 定められた用量・用法を厳守すること
- 本剤の投与前には健康状態について検査し、異常である犬には投与しないこと
- 本剤の投与前には犬糸状虫感染の有無を集虫法、抗原検査などにより検査すること
- イヌ糸状虫感染犬に本剤を投与する場合、成虫およびミクロフィラリアを駆除するなど適切な処置を行い、慎重に投与すること
- 犬糸状虫感染犬に本剤の主成分の一つであるイベルメクチンを含有する錠剤を投与した時。因果関係は明らかでないが、急性犬糸状虫症(大静脈症候群)、歩様異常、元気消失、食欲不振などが現れるとの報告がある
- 本剤の子犬への投与は離乳後に開始すること
モキシデック錠の場合
対象動物に対する制限事項
制限事項
- 本剤の投与前には健康状態について検査し、異常を認めた場合は投与しないこと
- 本剤投与前に犬糸状虫寄生の有無をミクロフィラリア検査および成虫抗原検査などを実施して検査すること
- 本剤を犬糸状虫寄生犬に投与する場合は、ミクロフィラリア及び成虫の駆除を行い、慎重に投与すること
- 本剤は離乳前の子犬には投与しないこと
2.副作用
- 本剤を犬糸状虫寄生犬に投与したとき、大静脈症候群、元気消失、食欲不振などが現れることがある
- 本剤投与により、まれに嘔吐、下痢、ふるえ、けいれんを起こすことがある
取り扱いの注意事項
- 本剤は分割投与しないこと
以上のことを読んでいただけたら、いかに検査が重要であるか理解していただけると思います
リンク:犬のフィラリアって、どんな病気?