漢方(国際中医師)や動物の扱い(やさしい保定、飼い方、しつけ)の知識 地域ナンバー1を目指し、学術更新をしております

ペット(動物)への漢方が効かなかった方へ:診察の見直しと微調整の大切さ

漢方薬を飲んでみた事があっても、効果を実感出来なかった方は多いかと思います。

ちょっと待って下さい。もしかしてそれは漢方が効かなかったのではなく、診断や処方(弁証論治)があっていなかっただけかも知れないのです。

漢方のイメージ

一般的なイメージとして、漢方は

  • 天然の物質であるから安心
  • 副作用が少ない
  • 効果には時間がかかるから、体感するまでには時間を要する
    (同じ処方のままでも、どのような種類のものでも、漢方とはこういう物であるとの説明)

当院の飼い主様からも、「そう言われて続けて飲んでみたものの、実感出来なかった」というお話をしばしば耳にします。

びっくりするかも知れませんが、その情報はほとんど間違いです。効果が高いからこそ処方が合っていないと体調も崩しますし、即効性のある薬もとても多いです。また別の機会に記事に出来たら書きたいと思います。

プラセボ効果ではなく、本当の良さを体感して欲しい

飲んでいたら体に良いと感じてしまうのが、プラセボ効果です。なんとなく良いといったおまじないのような感じで体質に合っていない薬を飲み続けた結果漢方は効かないという論争になってしまうのです。実際当院のスタッフも婦人科で漢方を処方されて、余計に体を崩してしまった経験をしています。メンタルがボロボロになりましたが、幸い私のアドバイスで回復しました。

この勉強を真剣に始め、治療に携わらせていただき、私自身が当初イメージしていたものと良い意味で違っていました。体質にアプローチ出来るとビックリするくらいにいろんな状態に対応出来ます。私自身は人に良いと勧められても、常に自分の中で評価するタイプの人間です。鵜呑みにしません。そんな性格ですが、使えば使うほど学べば学ぶほど、「もっと上手に使えたら治療の幅が広がっていくのに」と思えるようになってきました。

また始めた当初と視点が変わり、「気がつくこと」も「治療の選択肢」もとても増えたことで、少しの調整でガラッと体調が変化する経験を常にさせていただいております。

この体験を、1人でも多くの方に感じていただきたいと思います。

あきらめたり食わず嫌いであれば、すごくもったいないです。

調整が何より大切

西洋医学と比べ、繊細な診察まめな調整がより必要になります。それは整体観といって、周りとの調和をとても重視する医療行為だからです。

元々私は、

  • 環境変化
  • 季節や気候の変化
  • 食事
  • 温度および湿度管理
  • イベント(旅行や不在など)
  • 飼い主の行動変化
  • メンタルの変化など

開院当初から、こと細かに取り入れた診療をおこなっておりました。無意識に整体観を取り入れていたようです。そのために診察時間がかかってしまうのです。特にメンタルの部分では、ABA(応用行動分析学)獣医行動学を取り入れているため、他の先生よりは高い感度でチェックすることが出来ると思います。

中医学を学び、これらの事が漢方診断には当たり前に取り入れられている事を知りました。西洋医学よりも重要視します。そのため当院の飼い主様方は、私が中医学を導入した際に違和感なく積極的に漢方の提案を受け入れて下さいました。

つまりこの病気にこの漢方というような西洋医学的な処方されてもうまくいかないですし、日々のチェック無くして、ずっとそれでうまくいくわけでもないのです。様々な観察ポイントを細かくチェックしながら、季節が変わったというだけで早めに方薬の変更を行うこともしばしばです。

漢方の薬自身というより、『聞き取り』と『処方スキル』と『適切な調整』が何より大切で、だからこそ診察にじっくり時間をかけながら定期的なチェックをしながら調整し、養生する考えが大切です。未病=発症する前に体質の変化を調整することで、健やかに過ごせるのです。

発症を出来るだけ抑えることが出来るということは、動物にとっても飼い主様にとっても苦痛が少なく、とても幸せなことだと思っております。病気になって苦しんだり、精神的に不安になるのはお互いにつらいですよね。

飼い主様と共に

診断に迷うことはしばしばあります。鶏が先か卵が先かといった感じで、原因がどこにあるかもっと前にあるのか探ることが日常的だからです。そのため効果が得られない時も忍耐強く治療に付き合ってくださる方々は、私にとって、とても貴重な存在です。その方々のお付き合いがなければ、さまざまな調整は出来なかったですし、またそのスキルを次の患者様に繋ぐことも出来ませんでした。

これからもこうやって多くの飼い主様と動物たちに支えられ、私を育てていただき、そして社会に貢献していけたらと思っております。

当院で処方するもの

当院では中医学的診断を行い、一部(和)漢方も取り扱っておりますが、メインはQANPOWというペット専用の漢方サプリを使っています。粒なので細粒の物より与えやすいです。粉の方が良いという方にも粒が柔らかいので、簡単に砕く事も出来て使い勝手が良いです。漢方の成分はそもそも味に癖があるものが多いので全てを美味しく投与できるわけではありませんが、ペット用に飲みやすく調整はされています。また、高い効果を得られることからみなさま工夫をされ、頑張って投薬なさっています。

メンタルを重視

当院ではメンタルからのアプローチをとても重要視しております。

中医学とは

よく耳にするのが「漢方はいいけど、中医学は得体が知れないもの」「怪しい」「神術」という内容。

実は漢方は日本だけのもので、世界的にはとてもマイナーな学問です。中国医学(中医学)が日本に渡って日本で独自の発展をしたのが漢方なのですが、日本に住んでいてその世界しか知らないと、どうしても身近なものをメジャーと思ってしまいますよね。

中医学は書籍も多く、教育システムもしっかりしています。その応用が(和)漢方なので、ほぼ同じものと考えていただけると良いと思います。

西洋医学的な、「〇〇病にこの漢方」という処方では効果を得られないことが多いです。私たちはしっかり四診を取り、西洋医学とは別の診断方法で治療薬を決めます。

かかりつけ動物病院との併用大歓迎

「かかりつけの動物病院で治療をしながら、それに加えてもう少しできる事があればしたいのに」と思うことはありますよね。

そのようなお悩みに関しても、当院では1月のリニューアル後から積極的に受け入れております。お気兼ねなくどうぞ!その場合は、すでにかかりつけで処方されているお薬の調整などはそちらで行なっていただきます。

診断や治療方法が西洋医学とは全く異なるため出来ることですし、中医学をしっかり取り入れて診察をしている動物病院はまだ全国でもわずかです。だからこそ、私たちで力になれるのであれば一緒に手を取り合い頑張りたいと思っております。

現代では人の医療は細分化され、さらに細分化の流れは加速しております。獣医療もそれぞれの専門分野で手を取り合う時代が来ました。

もう一度当院で漢方にチャレンジしてみませんか

当院の獣医師および愛玩動物看護師は、これらの精度を高める努力を日々しております。そのため、定期的な勉強会も欠かさず出席しております。

また獣医師は、正しく中医学(漢方)を理解する努力のために国際中医師の試験(関連記事)も受験しました。そして更なるステップアップの最中です。診断や治療に行き詰まった時は私の方から相談出来るつながりもあるため、精度を上げるためセカンドオピニオンをして調整する場合もあります。

ですから、私がまだ学び初めの頃に体験してくださった方の中には、満足できなかった方もいらっしゃるかも知れないです。私たちは日々情報更新しているため、どんどんスキルアップしています。薬の種類にもよりますし長く飲むから効くということでもないのですが、あまりにも早い判断で、治療の大元にたどり着いていないこともあります。私たちに教えて下さっている体調の変化が違う形で伝わっていることもしばしばで、治療をしながらそのズレを調整することもあります。そういった意味ではすぐに満足いただけないこともあるかもしませんが、ただ長く飲むのではなくしっかり調整を重ねていきます。

Instagramなどでも、ごく一部ですが写真で紹介できる症例に関してはアップしております。

私たちと感動を共有してみませんか?

中医学の考え方は、「薬を使うよりまず、メンタルや環境のケアに注目するのが先」なので薬の処方がすべてではありません。動物たちのために出来ることをしたいと思われている方にとっては、当院での診察やアドバイス自体が勉強になると思います。

いっぱい伝えたい事がありすぎて、いつも長文になってしまいます。

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