肉球がカサカサしている子って、とても多いですよね。私も西洋医学の診察しかしていない頃は、たくさん見てきました。高齢だからとか、よく散歩しているから肉球が固くなってとか、そのように思っていました。しかし、漢方外来を取り入れてサポートしていくと、自然と肉球のカサカサが減ってくる子たちがほとんどなのです。
では、肉球のカサカサはどのようにして起こっていると東洋医学ではとらえるのか、解説していきますね。

(⇑肉球のカサカサが改善しているのが分かりますよね?)
肉球のカサカサと血虚
肉球のかさつきは、水分不足ととらえられがちですが、実は中医学(漢方)では、血虚ととらえます。
血虚の子は、毛のツヤが悪かったり白髪の子もいたりします。
血虚と一言で言っても、肉球部分に血が届いていない状態。血が届かない状態とは?
- 血そのものが足りない
- 血の巡りが悪い
- 血を送る力が足りない
- 末端まで巡らない
そのようなことが考えられます。
ですから血虚と言っても単純に貧血というわけではありません。
肝は血を蔵する
五蔵のうちの「肝は血を蔵する」場所という考え方をされています。肝が弱ると血虚になってしまいます。肝血虚という状態です。
肝臓とは違います。東洋医学での肝はイライラの感情などを司る場所です。そのため、我慢したりイライラすると血が不足するという考えがあります。ストレスがあると血の巡りが悪くなり手足が冷えたりします。その場合は、気の巡りを良くする漢方などを処方したり、ストレスがかかるような状況を減らすようにします。
気虚になると血虚になる
「気は血を生み出す」という考え方があります。気は簡単にとらえるとパワーとか覇気とか目の輝きとかで何となく通じますか?若い時は充実していますが年を取ると減っていきますよね。また年をとっても生き生きしている方は、気が充実しているのです。おとなしい方は気虚気味の方が多いです。
気は血も生み出しますし、血を巡らせる力もあります。パワーですからね。あと、気は体力につながりますから免疫力にもつながります。気の作用は5つありこれは国際中医師の試験にも出るくらいしっかり覚えました。また何か機会があったら書きますね。
気滞になると巡りが悪くなる
先ほども書きましたが、イラっとしたり、我慢すると、胸が熱くなったり手足が冷える感覚があるのが分かりますか?気滞の可能性があります。気の巡りが悪くなります。
気滞になると、体に老廃物が生まれた際にも巡りが悪くなることで排出されにくくなります。そのため腫瘍病変なども出来やすかったり悪化しやすくなったりします。また末端に血が届かなくなり、毛のツヤが悪くなったり白髪になったりします。
未病と養生
今まで書いたような状態は、確かに病気ではありません。しかし、何らかの異変がありますよね。これを東洋医学では「未病」と言います。そして、その未病の症状を微調整することを養生と言います。
お薬を飲むだけではありません。食事や生活習慣、ストレス、季節に応じた生活の仕方、季節に応じた食材の取り入れ方など、私たちには出来ることがたくさんあります。
その知識まで全部トータルして中医学(漢方)なのです。
まとめ
当院では、西洋医学を基本とした診療を行っておりますが、西洋医学でアプローチ出来ない症状や病気の時に東洋医学を取り入れております。また、併用も行っております。特に、ハムスターやウサギなどは詳しい検査ができにくく、またまだまだ病気が分かっていない部分もあり、正確な西洋医学的アプローチが出来ない場合が多いです。
そのような状態でも症状さえ示していればそれらの情報を集めて診断していく学問なので、出来ないではなく、出来ることが増えるという考えです。
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