動物病院の行動診療科とは、何をするところ?トレーナーさんとの違いは?(前編)

獣医師

ぴよちゃん、こんにちは。
今日は、どうしましたか?

ぴよ

先生、あのね。
最近よく、行動診療科って耳にするのですが、どんなことをしているんですか?

獣医師

行動診療ってね、「飼い主さんが問題と感じる行動」をしっかり問診した上で、その原因を探って診断・治療をする“獣医療分野”なんですよ。

診察なので、
病気の問題が隠れていないか?とか、どうしてそのような行動が形成されたのか?など、問診を取っていきます。

ぴよ

へぇ~「しつけ」じゃなくて、診察なんだね。
具体的に、どんなことを聞いていくの?

獣医師

私の場合は、日本獣医動物行動学会問診票に書いてもらったものと、そこから想像できることを広げて、聞いていきます。

例えば、現在の年齢と発症時期がどうだったか、それからどれくらい経っているか。また徐々に悪化したのか、急なのかなども、ていねいに聞いていきます。
飼い主さんは急にとおっしゃっていても、実はその兆候に気付けていないだけのこともあるので、そこを見落とさないように時間をかけて思い出してもらいます。

ぴよ

ふむふむ。

獣医師

また重要なのが鑑別診断といって、痛みだったりホルモンの病気でイライラが増していることもあるし、不適切な場所での排泄の場合は、さらに泌尿器系の病気なども除外します(中略)。認知症の初期で問題行動が出てくる子もいます。問題行動の種類でも鑑別する必要があります。

ぴよ

ほぉ~。

獣医師

稟告(飼い主さんがおっしゃる症状)と目の前の動物の診察から、考えられる病気をあげていき、ていねいに聴取したり、追加検査をしたりして、それらの可能性を消していきます。またそれらが原因の時は、その治療に入ります。

獣医師

1回で見つからないことも多いので、行動診療を継続しながら、鑑別診断を頭の中に浮かべながら進めていくんですよ。

ぴよ

普通の診察と変わらないんですね!

獣医師

ぴよちゃん、いいところに気付いてくれましたね。ありがとう♡

獣医師

そうなの。内科や整形外科などの除外診断を行うのと同じように、行動診療科でも除外診断を行っていくので、特に一次診療の現場では、一般臨床のスキルがないと、診察できないんですよ。

私は行動診療専門でもなくて普通の診察もするし、それらの勉強も更新しているんですよ。

ぴよ

へぇ~、そうなんだね。

獣医師

ましてや動物たちって自分でお話出来ないから、飼い主さんを通して聞き出さないといけないでしょ。それを具体的に飼い主さんが想像しやすいように、思いを巡らせて質問していくのです。

もちろんすぐに思い出せないってことが多いですが、ゆっくり考えてもらって思い出せることがあれば後でも知らせてもらえると、診断の精度が上がることもあります。

ぴよ

なるほど。

獣医師

だからこそ問題行動って、ささいな異変でも感じた時にできるだけ早く来てもらった方がよいのです。
思い出せなくなる前に。
そして、
こじれてしまう前に。

ぴよ

でもね、ぴよの知り合いとか、YouTubeとかSNSで情報を集めて、早いうちから頑張っているよ。でも、うまくいっている気がしないって。

獣医師

みなさん、ネットの情報やいろんな助言を信じて頑張られているのですが、やればやるほどどんどん悪化したり、その他の複雑な要因が重なって、元の原因が分からなくなってしまうことも多いのです。そうすると、治療の精度が下がって、治せるゴールが変わってしまうことも多々あります。

ぴよ

他の病気と同じで、少しでも早い方が良いんですね。

獣医師

そうなの。
そもそも、ホルモンの病気や認知症や痛みなどで起きている行動を、いくら『しつけ』しても難しいし、逆に、悪化させてしまったり他の問題につながってしまうことも想像できるでしょ?

怖いよね。

ぴよ

うんうん。
吠えるとか咬むとかを止めさせる方法って、よくネットでも見るけど、いま起きている状態だけで判断しても、的外れだったり悪化させてしまう危険性があるんですね。

獣医師

そうなんですよね。

そして近年では人間の精神科でも、心の病気とは言わず、「脳の病気」と言われるようになりました。
脳と言う一つの臓器の病気と考えると、やはり早期発見・早期治療になりますよね。そして医療の提供が必要なことも、分かってもらえますよね。

ぴよ

本当にそうですね。
でもまだいまいち違いが分からないので、教えてもらえますか?

獣医師

はい。トレーナーさんは、トレーニングをメインになさっている方が多いですし、診察行為は、獣医師の仕事です。そのため、「分離不安」とか「常同障害」といった診断をしてはいけません。獣医師法違反に抵触してしまうのです。

ぴよ

え~~~?厳しくない?

獣医師

たとえば人間の医療において「あなたは糖尿病だから、これがいいですよ」とアドバイスし悪化させてしまった場合は、法に抵触する可能性があるのは理解できますよね。簡単なアドバイスくらいであればまだしも、治療に強い影響を与える場合は、しばしばニュースになったりしますよね。

ぴよ

たしかに・・・。
それは獣医師さんにしか、できないですね。
分かりました。

ぴよ

先生ありがとう。
ぴよね、そろそろ帰んなきゃいけないから、また続きを教えてね!

獣医師

はい。また聞きに来てくださいね。
気を付けて帰ってね(^^♪

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まとめ(クリックして開いてください)

問題行動は、飼い主さんが問題と感じる行動。

問題行動と気づいたら、動物病院で診察を受ける。

行動診療科で行うのは、病気の診察と治療。獣医師の仕事である。

トレーナーさんは、診断も治療も出来ない。

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