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獣医師ぴよちゃん、こんにちは。



この前は、ありがとうございました。
もうちょっと詳しく、行動診療科とトレーナーさんと、どんな場面で頼ったらいいのか、教えてもらえますか。



はい。
特に問題を抱えていない場合で、これから将来に向けて、動物たちの不都合を減らしてあげたいと取り組む場合は、トレーナーさんがいいと思います。



具体的には?



トイレ・トレーニングとか、歯磨き・トレーニングとか、投薬・トレーニングとか、クレート(ハウス)・トレーニングなどをお願いするのは、とても良いと思います。



なぜ、そんなことをする必要があるの?



動物病院での診療現場では、このような事が出来ず診察や治療を断念せざるを得ないケースが、とてもとても多いです。行動予防としてトレーニングをしておくと、将来、診察や治療で困ることが減ります。
これからの予防獣医療において、病気の予防だけでなく、【行動予防】も当たり前になったらいいなと思います。



そのような分野で、トレーナーさんに協力してもらえることをお勧めしています。



なるほど。
じゃあ、行動診療科は?



問題行動と感じた時点で、獣医師による診察を受けて欲しいのです。
『病気の診断は、獣医師にしかできない』ことは先に伝えたとおりですが、もちろん治療も獣医師の仕事です。ましてや、痛みだったり、内臓の病気だったり、脳の病気が原因の場合は、獣医師による治療が必要になるのは分かりますよね?



そうだね。



また、脳が疲労を起こしてしまっている場合は、“普通に出来るはずのことが、出来ない状態”になっています。些細なことに反応してしまったり、行動を強化するためにおやつを与えたくても食べてくれない状態では、トレーニングの成果も上がりません。



たしかに。
それじゃトレーニングも出来ないよね。
どうしたらいいの?



それらを行いやすくするために、投薬治療という選択肢もあります。
脳の機能異常を改善させたり、落ち着かせたりすることで、動物たちとの生活改善につながりやすくなります。



他の内臓が病気になった時は、普通に投薬治療しますよね。
脳に作用する薬の場合は、抵抗がある飼い主さんもいらっしゃいますが、普通の内臓治療をする時と同じように考えて良いと思います。
性格を変えるものではなく、本来の姿に戻していくと考えて良いと思います。



じゃあ、いままでの生活を変えずに、薬だけ飲めば楽ですね。



いえいえ。それは間違いです。
投薬だけすればよいのではなく、人のような認知行動療法や環境改善がとても重要です。原因に取り組むことが一番大切です。
薬は治療をうまくすすめるためのツールと考え、動物では行動修正や環境修正を行います。
そのために時間をかけた診察が必要なのです。



ここが抜け落ちて、投薬だけの治療で悪化してしまうケースもたくさんあります。
人もそうですよね。



確かにぴよの周りにも、動物病院でお薬を出してもらった直後は良かったけど、薬だけ飲んでいて、その後もっと悪くなったって。



それで薬に対して不信感が生まれちゃって、薬嫌いになっている人の話も、聞くよ。
薬だけじゃなくて、診察と取組みが重要なんだね。



そうですね。
お薬はあくまでも治療のいちアイテムで、取組みが重要なんです。
例えばアルコールによる肝炎を起こしている人は、アルコールを中止してから投薬治療しますよね。行動診療においても、原因にアプローチしないと治りません。



なるほど、そうですよね。



行動診療科において、かなり初期や軽度の場合は、薬を使わず取組みだけで改善することもあります。
また中~重度の場合で薬を使わず取り組む方法もありますが、薬を使う方が、うっかりとか予防し切れないもののように不可抗力があっても、動物が過敏に反応することが減るので、治療成果が上がりやすいのです。



そういうことなのか~。
薬を使うメリットが、やっとわかりました。



ところで先生のお話を聞くと、行動診療って、とても時間がかかるのですか?



私の場合は、初診は2時間以上かかることが多く、再診の方でも初めの頃は1~2時間かかることがあります。診察のサイクルも短めの方が早く治ります。



そ…、そんなに時間がかかるんですか?



行動形成を推理するために、いろんな病気の鑑別、引き金、悪化要因、行動が起きない場面、改善が得られる状況なども存在するのか。
人によるのか、場所によるのか、時間帯や季節に関係するのか、などなど…。様々な視点で考えていきます。



そうなんだ。



また、飼い主さんに観察記録をつけてもらい一緒に考えていただくことで、原因や行動のパターンが読めるようになることも多いです。そうすれば予防することにもつながり、治療成果が上がるのです。



そういうことか。
飼い主自身がしっかり把握して対応していくために、観察が必要なんですね。それで先生は、飼い主さんの協力が必要って、いつも言っているんですね。



そうなんです。
そして問題行動は、“飼い主さんが困っていると感じる行動”なので、目指すゴールは様々。何を目指すか、どこまで取り組むことが出来るかなども聞いていくのです。



なぜ、そんなにたくさんの時間がかかるのかな?と思っていたのですが、納得できました。



診断や治療の事はお話しましたが、問題行動予防のための動物病院での取り組みもあります。
動物病院に連れてくるけれども、待合室で食べ物を食べて帰るだけなど、
“なにも感情を抱かないうちから”やっておくだけでも、後々の動物病院嫌いになるリスクを、低くすることも出来ますよ。



先生。
とってもわかりやすかったです。
また、いろいろ質問させてくださいね。
行動診療という診療科目が、多くの飼い主さんや動物病院関係者に知ってもらえたらいいなぁ~って、ぴよは思います。



本当にそうですね。
ぴよちゃんも、一人でも多くの人に、伝えてね!



はーい!☆彡
↓行動診療をご希望の方は
犬猫の行動診療科(問題行動)
まとめ(クリックして開いてください)
問題行動と気づいたら、動物病院で診察を受ける。
問題行動も早期発見・早期治療が重要。遅くなればなるほど、治療がうまくいかないことがある。(他の病気と同じ)
問題行動が発生する前から、いろんなトレーニングをすることで、出来ることや長生きの可能性が広がる。(細かいステップやコツがあるので、ネットを見るよりトレーナーさんとの練習が良いと思います)







