福岡では行動診療を行っている動物病院はわずかなので、お困りの方も多いのではないでしょうか。
そのためお困りの際はまずはネット検索をして、書いてある内容だけで判断せざるを得ないですよね。またフォロワーの多いトレーナーさんは、安心出来ると思ってしまいがちだと思います。
一生懸命吟味し、良さそうに思うトレーナーさんに依頼して、言うとおりにすればするほど悪化させてしまったという飼い主様がほとんどです。なので、決してあなただけではありません。みなさんお困りで当院に駆け込まれてきます。
トレーニングだけしても改善しません。そもそも疾患が原因であった症例もたくさんいらっしゃいます。だからこそ獣医師の診察が必要なのです。
もしまだどこに行こうか迷っている場合は、当院にて受診なさってみませんか?
猫ちゃんも、特発性膀胱炎(ストレスが原因)、不適切な排泄(マーキング他)、攻撃行動、常同障害などで受診なさっています。
*当院は、獣医行動プラクティショナー(日本獣医動物行動学会)認定の獣医師が診察する動物病院です。詳細記事はこちら
行動診療は通常の診療以上に、目標とする着地点の違いと飼い主様の取り組みの度合いによって、治療成績が変わってくる診療科目です。そのため飼い主様のご協力は不可欠であることを、まずお伝えさせていただきます。一緒に寄り添って歩める関係を構築できるように、おたがい努力出来たら良いと思っております。
そして私たちは、「動物の悪い行動と言われるもの」を止めさせたり治す目的ではなく、動物との豊かな生活を目指し、動物たちが感じているであろう不都合を解決することによって、人と動物の間に発生している問題の調整を行っております。
過去の自分を振り返っても、どうしてもほめるしつけの勉強を始めたばかりでは、動物中心のアドバイスになりがちで飼い主様が蚊帳の外になりがちです。私たちは飼い主様に寄り添うための勉強も更新中です。お力になりたいと思っております。そこがうまくいかないと治療成績も上がらないため、がまんせず本当のお気持ちを伝えていただけるように、考えを巡らせるようになりました。
行動診療(問題行動の診療)を行っている動物病院はまだまだ少ないですが、当院では東京農工大学動物行動科研修医として行動診療の学びを更新しております。福岡県のみならず、他県からも診療に来られています。
そのため、特に問題行動が無くても、「正しい動物とのつき合いを学びたい」、「正しいしつけを学びたい」という飼い主さんが多数来院されています。問題行動は、予防が第一です。
【大切なこと】初期対応がどの分野より重要視されます。中途半端なアドバイスは、余計に拗れてしまい後々修復不可能になることが多いです。行動の理由をデータ取りし分析しないとその行動の理由を見つけることは出来ません。それらの作業が必要なため短時間で簡単にはアドバイスが出来ない事をご了承いただけると助かります。
(注釈:しつけという言い方はあまり好きではありませんが、分かりやすくするために書いております。)
国際中医師の資格も保有しているため、メンタルケアの際に漢方を併用する事も出来ます。
【重要】お願い
診察の行き違いを防ぐために、当院にご連絡いただく前にここに書かれている内容を読まれて同意していただいた前提として、お話を進めさせていただいております。
診察がスタートする前にわからない点は、お電話などで必ずご確認ください。
行動診療のイメージ
行動診療はどうしても、しつけ相談のようなイメージをお持ちの方が多いようです。そのため、1回の診療で答えが出ると期待されるケースもございますが、現実は不可能です。
行動診療は人の精神科および心療内科のようなイメージを持っていただけると助かります。
しかし人との違いは、動物が直接今の状態を伝えることが出来ない部分です。
なぜそのような行動が起きているのかを探っていくために、一般的な病気の診察と並行して、行動の記録(日記)を付けたり動画を提出していただく事を繰り返しながら、原因の可能性にアプローチをしたり、脳の治療が必要と判断する場合には薬物治療を取り入れております。
常に獣医師として疾患が隠れていないかを定期的にチェックしながら、その上で環境の改善と行動修正法(獣医学用語 ≒行動療法:医学用語)がメインとなり、止めさせたり罰することとは異なり望ましい行動を強化することで問題行動の発現が自然と減るようなアプローチを行います。
情報収集と予測や対策などの微調整を、マメにする必要があります。診察サイクルが空いてしまうと新たな行動が形成されたり、原因が変化してしまうこともしばしばあり、なかなかクリアなアプローチが出来ない事もあるために、出来るだけ短いサイクルでの診察とある程度の回数が必要となってくるのです。
特に発生後に期間が経ってしまったケースでは、初期の原因にアプローチ出来なくなってしまい、ある程度の妥協案で対応していただく事が多いです。期間は一概には言えず、その子の学習の形成の仕方によってはたった1回の事であっても行動が形成されることもあります。その状態でさらに期間が経つと余計にこじれてしまい難易度が上がってしまいます。
資格および学術略歴
- 一般診療
- 獣医師国家資格
- 動物行動学(行動診療)
- 東京農工大学 動物行動科 研修医
- 日本獣医動物行動学会 所属
- 2000年(日本獣医動物行動学会の前身の研究会発足時)から入会
- 獣医行動プラクティショナー ⇒ プラクティショナー紹介
- 日本獣医動物行動学会 役員(学会担当)
- 漢方
- 国際中医師(世界中医薬学会連合会)
- 動物福祉
- 福岡県動物愛護推進教育講師
問題行動の診察を希望される方へ
- 当院の【問診票】の記入をお願いいたします。
日本獣医動物行動研究会の「診察前調査票」統一様式フォーマットも、ご記入の上、ご持参下さい。- 犬の飼い主さん用 ⇒http://vbm.jp/DogQ.pdf
- 猫の飼い主さん用 ⇒http://vbm.jp/CatQ.pdf
1と2の両方が必要です。
特に2は時間を割いてゆっくりご記入お願いいたします。情報が少ないと診療の質が低下します。下記の記入の際の注意事項をご覧下さい。
当院を初めて受診される方へ
- また、【初診の方へのお願い】もありますので、ご連絡の前に必ずこちらもご覧ください。
- 行動診療の特性上、動画や静止画を送っていただくことが多いです。原則として当院では個別のLINEでのやり取りは行っておりませんが、これらを送っていただくために行動診療の予約が決まりましたらLINE登録お願いいたします。(事前に把握できない場合は、LINEから削除しておりますのでご注意ください)⇒ LINE登録はこちら【予約後】
記入の際の注意事項
- 今後の連絡のためのメールアドレスを、日本獣医動物行動研究会の「診察前調査票」統一様式フォーマットに、ご記入下さい。(フォームには記入欄がございませんが、大き目の字で、空きスペースにお願いいたします)
- 診察前調査票を記入の際は、なるべくていねいにゆっくり思い出して、ご記入をお願いいたします。用紙が足りない場合は、別紙を加えていただいてかまいません。
- 今後の診察においても、行動記録をもっと丁寧に書いて提出していただくので、ここで出来るだけていねいに書くようにできると診察がスムーズに進められます。
- チェックをしにくいので、手書きでお願いいたします。
- 間取り図や生活環境や周辺の写真なども添えていただけると、より効果的です。
- 当院に初めてかかられる方は、こちらの問診票の記入もお願いいたします。
- 身体検査、臨床学的検査を行っている場合は、血液検査など検査データーも添付の上、かならずご持参下さい。(紛失した場合は、再発行してもらって下さい。難しい場合は、再度こちらで検査することもございます)
- 問題となる行動の動画などを出来るだけ撮影していただけると助かります。iPhoneやiPadの場合は直接受け取れますが、Androidなどの場合は、USBなどパソコンで受け取れる形にしてご持参ください。
- トレーニングを行っている場合は、トレーニング動画を見せてください。内容をこちらで精査させていただき、トレーニングを止めてからの診察スタートになる場合もありますので、予めご了承ください。(トレーナーさんによっては連携できない場合があり、複雑化してしまう事を防ぐため、トレーニング内容によっては完全に終了後からの診療です)
診察の流れ
- まず、診察受付時間内にお電話を下さい。(土日はご遠慮下さい)
- 上記の「診察前調査票」に、ご記入下さい。
- 調査票をご持参、もしくは郵送して下さい。
- その際に、メールアドレス(出来るだけメールの方が助かります)
- 電話番号などを、必ずご記入下さい。
- 調査票を提出後数日から1週間くらい、解析にお時間をいただきます。
- 追加質問がある場合は、後日ご連絡させていただきます。
- 内容を確認の上、診療の予約日を検討するため、予約日を決める相談電話を入れる日をご確認ください。
- 診療日の予約を入れます。
- 平日のお昼休みの時間に行っているため、午前の診療が混雑した場合、時間がずれる場合がございます。午前の診療終了後にスタートさせていただきますので、午前の診療がとても混雑している場合は、待ち時間がかなり長くなることもございます。また、午後からの診察に差し支えますので、診察は予約開始の10分以上前にはご来院ください(遅れると別途料金が発生します)予めご理解いただけている方のみ受付しております。
- 初診時は(1~)2時間(~3時間)程度、診察に時間がかかることがございます。そのため完全予約制です。
- 再診の場合は、おおむね30分~1時間(~2時間)程度かかるケースが多いです。
- 行動診療の診察料(通常の診療費と別料金設定です)がかかります。病気の診察が入った場合は、別途診察料がかかります(薬やその他の治療にかかったものは別)
- 初回の診療で今後の相談をさせていただきます。(診察させていただいた結果、対応が不可能と判断した場合は、1回きりになる場合もございます)
- 診察後は、再診の他に初めのうちは1(~2)週に1回程度の再診になることが多いです。
- 間をあけて時間をかければうまくいくというものでは無く、実践して問題点や達成したことなどの早めの微調整をしていくのが早期解決のコツです。期間があくとかえって悪化するケースもあります。
- その際にメールで記録の報告を送っていただきます。メールアドレスを必ずご記入下さい。(メールがない場合は、FAXでのやりとりになります)それらのツールがない場合は、事前にご相談ください。
- 間をあけて時間をかければうまくいくというものでは無く、実践して問題点や達成したことなどの早めの微調整をしていくのが早期解決のコツです。期間があくとかえって悪化するケースもあります。
- 当院のみでは対応が難しいと判断した場合は、日本獣医動物行動学会の個別症例相談(有料:認定医によるアドバイス:対応獣医師の名前はお伝え出来ません)を利用させていただきます。その際は、会に払うシステム料及び当院の対応料が別途発生します。
- 一番初めにお伝えした通り、行動診療は通常の診療以上に、飼い主様の取り組みの度合いで治療成績が変わってくる診療科目です。そのため飼い主様のご協力は不可欠であることを、再度お伝えさせていただきます。
- 2回目以降は、診察後に次回の再診予定を入れていただきますので、スケジュールが分かる物をご持参下さい。(キャンセルの可能性がある場合は、予定を入れないようにお願いいたします)
問題行動は、病的な要因で起こされていることもあります。その為、医学的検査が必要になる場合がございますので、カウンセリングだけではなく診察を行っております。また、薬の投与などが必要な場合は、随時血液検査も行います。当院で精査出来ない症例の医学的検査につきましては、当院が紹介させていただきます病院と連携(セカンドオピニオン)させていただく場合がございます。
飼い主様の気付きと、精査、評価が、とても大切な診療科目です。みなさまが、私たちがお願いする内容に気付けたり、実行出来るとは限らず、その為、頑張って取り組んでくださっても、私たちの施設では治療困難と判断せざるを得ないケースもありますことを、予めご了承ください。
近年、多くの方の獣医療に対する期待値が大きくなりすぎて、多大な負担がかかっております。一緒に手を取って歩んでいけるように、みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
トレーナーさんと獣医診療の違い
たまに、トレーナーさんについてもらってトレーニングをしているのですが、その料金もかかるので行動診療に一本化したいと言われるケースがありますが、それぞれの役割が異なるため説明させていただきます。
獣医師の役割
一般的な病気からなのか、問題行動なのかの診察をします。常に、治療をしながらも精査してきます。トレーニングの概要や簡単なやり方は伝えることは出来ますが、細かいタイミングや実践指導は、あまり獣医師は行いません。
トレーナーさんの役割
問題行動の予防やケアのトレーニングなどを教えて下さるお仕事です。獣医師から「このような概念やトレーニングを教えて欲しい」と伝えて実際に飼い主様に実技指導したり、また診察では隠れていた問題点などをトレーニング現場で見つけた場合は報告してもらい、獣医師と一緒にプログラムを組み立てていきます。
元々過去の歴史において獣医師がこれらのことが出来なかったため、トレーナーさんが診断も治療もすべてやっておりました。しかし実際は、てんかん発作からの攻撃行動や常同障害、ケガなどの痛み、かゆみからの情緒不安定、またその他の脳の病気などが隠れていることもあります。
それらの診断は獣医師の仕事です。これらをトレーナーさんと飼い主様からの報告を受け、獣医師が方向性を決めていきます。新しい学びをなさっているトレーナーさんであればこれらの事をご存じのため、分離不安や常同障害などの病気の診断はなさいません。
まだまだ過去の歴史の中で獣医師と連携を取るとことが定着していないため、どうしてもトレーナーさんの現場判断になってしまう事もあるようです。これらの連携を取っていかないと治療方針に行き違いが生じますい
料金
1時間まで:6,000円(税別)(以降、30分ごとに3,000円)
初回の診察
初回は2時間以上かかります。
午前の診療終了後なので、時間が食い込むことが多々ありますので、お時間に余裕を持ってお越しください。(遅い時間からのスタートにしたいのですが、カウンセリングが終わらない事があるため、前もってご理解とご協力お願いいたします)
追記:初診時に私たちからお伝えしたいことはたくさんありますが、初回は飼い主様の緊張もありお話をしても伝わっていないケースだったり、飼い主様が私たちに伝えたい情報量が莫大で時間が経過してしまい、私たちから飼い主様に伝えたいことを伝えきれなかったりする事例がたまにあります。その為、あまり長くならないようにし、足りない部分は次回の診察に回すように変更しました。
今後もいろんな事例を経験し、飼い主さまにも私たちのとっても、お互いによりよい診療を行っていくために少しずつ調整していきますので、ご了承お願いいたします。
特に初回は問診票のチェックが入るので、実際の診察時間以外にも作業時間を費やしております。再診の2~3倍の労力が必要なため、このような設定とさせていただいております。
2回目以降(不安定な状態の時)
1~2時間かかります。
はじめのうちや状態が安定しない時は、1(~2)週で再診を受けていただきます。特に攻撃行動など深刻なケースでは、1週間ごとの診察が必要です。間が空けばあくほど治療が進みにくい傾向にあります。
安定後
30分~1時間かかります。
特に大きな変化が見られなくなり、2週間に1回程度のフォローアップで良いレベルになった場合には、再診のサイクルを伸ばしております。その診断をした上、ご相談させていただきます。
報告書提出
決められた期限までに、報告書の提出をお願いいたします。
- 診察終了時に、飼い主様から次回の提出期限のご確認をしていただきますようご協力お願いいたします。
経過観察の報告書の事前提出がない、もしくは期限に間に合わない、もしくは診察の来院時にまとめて提出される場合は、診察前にそれらの精査をする時間が別途かかるため、それらのチェックにかかる時間によって、診察料とは別途に料金が発生します。(別途料金が発生しないためにも、期限内の提出にご協力お願いいたします)
- 15分以内:3,000円
- 30分以内:6,000円
なお、短時間で精査するために、見落としや提案できる内容が制限される可能性も予めご了承ください。事前にお約束させていただいた期限までに提出いただけた場合は、じっくり思い返しながら、提案できる幅が広がると言うメリットがあります。
料金設定
行動診療は、料金設定を見ると高いなと思われるかもしれません。しかし実際診療を行ってみると、これらの時間以外に準備することも多く、トータルすると一般診療と比べるとかなりの格安になってしまいます。実際獣医行動学の専門医の先生方も、「もっと高い設定にしていても、大変だ」とおっしゃっています。さらに私たちは、動物病院の施設を持っているため、それにかかる維持費もかかります。
有料セミナーなどにも積極的に参加したり東京まで研修に行ったり、スキルアップのための教育費用もかなりかけています。これらの事をご理解いただけると助かります。
お願い
- 問題行動の診察や治療には、飼い主さんの協力が不可欠です。詳しい観察と実行により治療をすすめてまいります。可能な限り多くの情報を、お願いいたします。写真や動画の撮影も有効手段になりますので、撮影にご協力下さい。
- 繰り返しになりますが、他の病気と違い、実際の治療は飼い主さんとの接し方が重要になります。その為、他の病気以上に、飼い主さんの努力が必要になる分野です。救うのは私たち獣医師やトレーナーさんではなく、飼い主様です。きっと道は開けると信じ、一緒に頑張りましょう。私たちが治すのではありません。私たちは、みなさまのサポートをさせていただきます。その為には、飼い主様が私たちをサポートして、支えて下さることも重要です。
- 具体的なやり方のアドバイスや繰り返しのトレーニングが必要な場合は、トレーナーさんと連携して実践する場合がございます。(トレーナー費用は、別途トレーナーさんにお支払い下さい)ただし、服従訓練、リードショック、リーダーウォーク、体罰や叱責、チョークチェーンの使用(スパイクがついていなくても、チョーク=絞めるタイプの首輪での訓練は推奨していません)を行う訓練士さんやトレーナーさんとは、当院の治療のやり方が違うため、連携出来ない場合もありますので、あらかじめご了承下さい。【犬のしつけに使うチョークチェーンについて】もご覧ください。(チョークチェーンを使っていなくても、リードに極々小さくでもショックを入れるトレーニングは、完全に止めていただきます)
- 診察の内容によっては、お受け出来ない場合もございます。
- 私たちはとても小さな動物病院です。その為、出来ることに限りがあり、飼い主様にご協力をお願いすることがとても多いです。ご協力いただける方のみ、診察させていただいております。不都合だらけですが、その中で出来ることを、一緒に探していきましょう。
問題行動の治療には、遺伝要因、育った環境、発育時の栄養状態、基礎疾患、過去の経験(知り得ないことも含め)、現在の環境要因、家族(他動物も含め)構成など、ありとあらゆる諸々の要因が複雑に絡まっている場合があります。
その為、飼い主様自身の努力だけでは解決出来ない場合もございますし、すべての問題行動を解決出来るわけではありません。
当院は動物行動学を学び、常に最新の情報を取り入れる努力をし、適切なアドバイスが出来るように学びを続けている動物病院です。